ヒンドゥー教について調べてみた
日本では認知度の低いヒンドゥー教。
名前くらいしか知らない・・・という方も多いでしょう。
私もその一人です。
なので今回はヒンドゥー教への理解を深めていきましょう!
ヒンドゥー教と概要
ヒンドゥー教は、西欧で作られた用語で、インドやネパールで多数派を占める民族宗教、またはインド的伝統を指します。
基本となる信仰はカースト制度(種姓)に生まれたという輪廻からの解脱を求めるものですが、ジャイナ教や仏教の影響を受け、また民間信仰を取り入れているため教義は多彩です。
ヒンドゥー教と信徒数
ヒンドゥー教徒の数はインド国内で10億人、その他の国の信者を合わせると約11億人以上とされ、キリスト教、イスラム教に続いて、人口の上で世界で第3番目の宗教です。
インドでは人口の81.4%を占める8億2760万人、ネパールでは人口の過半数、バングラデシュでは人口の14%、スリランカは15%がヒンドゥー教徒です。
ヒンドゥー教の神様
ヒンドゥー教は、バラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されてきた多神教です。その中でもブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァを三大神として信仰しています。
- ブラフマー:宇宙、世界に実存、実在の場を与える神
- ヴィシュヌ:宇宙、世界の維持、平安を司る神
- シヴァ:宇宙、世界を創造し、その寿命が尽きた時に破壊、破滅を司る神
しかし現在では、ブラフマー神を信仰する人は減り、ヴィシュヌ神とシヴァ神が二大神として並び称され、多くの信者がいます(ヴィシュヌ神を信仰する派をヴィシュヌ教、またシヴァ神を信仰する派をシヴァ教と呼びます)
ヒンドゥー教とカースト
インドでは「ヴァルナとジャーテイ」と呼ばれます。
紀元前13世紀頃に、バラモン教の枠組みがつくられ、その後、バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラの4つの身分に大きく分けられるヴァルナとして定着しました。
バラモン
ヴァルナの最高位。
ヒンドゥー教やバラモン教の司祭階級で、宗教的な支配者階級の種族です。
世襲的にヴェーダ聖典を語り伝え、呪術的な力を持っていると言われていました。
クシャトリヤ
ヴァルナでの第二位の種族で、貴族または武士階級。
クシャトリヤとは、「権力を持つ者」という意味を持ち、政治や軍事的支配をしています。
ヴァイシャ
ヴァルナの第3位の種族で、市民とも呼ばれています。
もともとは農耕や牧畜、手工業などの仕事をする庶民的な階級でした。
ヴァイシャはバラモン教のヴェーダ聖典を学べることで、「再生族」とも言われていました。
シュードラ
ヴァルナの下位カーストで、「労働者」と呼ばれています。
もともとは奴隷とされた被支配者階級で、バラモン教を学ぶことも許されていませんでした(売買されるような奴隷ではなく、自分の家族を持ち、自分たちの財産も持っています)。
アチュート
不可触民とも呼ばれ、カースト制度の外側に位置します(人間以下という位置づけ)。
バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャを上位カーストと呼びます。
ヒンドゥー教と四住期
四住期(アーシュラマ)とはヒンドゥー教独特の概念で、最終目標の解脱に向かって人生を4つの住期に分け、それぞれの段階ごとに異なる目標と義務を設定したものです(受胎から入門式までは四住期に入らず、この間は一人前の人間とは見なされません)。
ただし上位カーストのバラモン、クシャトリア、ヴァイシャにのみ適用され、るシュードラ及び女性には適用されません。
- 学生期・・・師のもとでヴェーダを学ぶ時期
- 家住期・・・ 家庭にあって子をもうけ一家の祭式を主宰する時期
- 林住期・・・ 森林に隠棲して修行する時期
- 遊行期・・・ 一定の住所をもたず乞食遊行する時期
ヒンドゥー教と食文化
先祖の魂が動物の形に生まれ変わっているかもしれないという考えのため、動物は殺したり、食べたりしません。
卵類も生命の源と考えられているので食べません。
また左は不浄の手とされ食事に使われることはありません。
ヒンドゥー教とタブー
食事以外にも様々なタブーがあります。
以下はそのタブーの一部です。
- 頭を触る
- 人を指差す
- 口笛を吹く
- ウインク
おわりに
いかがでしたか?
様々な宗教の流れを汲んでいるため、神様の数はかなり多く個性的です。一方で食事やカースト制度は他の宗教には見られない程厳しいものがあります。この厳しさはインドでは”伝統”として生活に溶け込んでいます。インドに行く際は要チェックですね。