ユダヤ教について調べてみた
世界五大宗教の一角のユダヤ教。
キリスト教やイスラム教を語る上でも避けては通れない重要な宗教です。
そんなユダヤ教を見ていきたいと思います。
ユダヤ教と概要
ユダヤ教は、古代の中近東で始まった唯一神ヤハウェ(יהוה)を神とし、選民思想やメシア(救世主)信仰などを特色とするユダヤ人の民族宗教です。
”タナハ”(キリスト教の旧約聖書に当たる書物)が重要な聖典とされています。
ユダヤ教は信仰、教義そのもの以上に、その前提としての行為・行動の実践と学究を重視します。
ユダヤ教と信徒数
現在、約1500万人の信徒を擁します。
21世紀初頭において、ユダヤ教徒が多数を占めている国家はイスラエル一国のみであり、2014年においては人口の約75%がユダヤ教徒とされています。
それ以外の国家においてユダヤ教徒の割合が2%を超える国家は存在しませんが、歴史的な事情からヨーロッパには古くからユダヤ人のコミュニティが存在し、現代においても各国ごとに数万人から数十万人のユダヤ教徒が存在します。
ユダヤ教と実践
先述したように、ユダヤ教は信仰、教義そのもの以上に、その前提としての行為・行動の実践と学究を重視します。
その性質から、ユダヤ教では、改宗前の宗教に関係なく、「地上の全ての民が」聖なるものに近づくことができる、救いを得ることができる、と考えます。
よって血縁よりも教徒としての行動が重要視されることが多いです。
ユダヤ教とタナハ
ユダヤ教では聖書を3つの部分に分け、それぞれを、Torah(モーセ五書)、Nevi'im(預言者)、Ketubim(諸書)と呼びます。この三つを、頭文字を採ってタナハと総称します。
Torah(モーセ五書)
旧約聖書の最初の5つの書。
モーセが書いたという伝承があったのでモーセ五書と言われています。
- 創世記「בראשית」(ヘブライ語の原題は「初めに」の意味)
- 出エジプト記「שמות」(ヘブライ語の原題は「名」意味)
- レビ記「ויקרא」(ヘブライ語の原題は「神は呼ばれた」の意味)
- 民数記「במדבר」(ヘブライ語の原題は「荒れ野に」の意味)
- 申命記「דברים」(ヘブライ語の原題は「言葉」の意味)
Nevi'im(預言者)
預言者とは神の言葉を預かり、人々に伝える者、の意味。
ユダヤ教では「神の口」であり民に神意を告げる者です。
旧約聖書にはイザヤ、エレミヤ、エゼキエル、ダニエルなどなどの預言書が8巻があります。
Ketubim(諸書)
諸書とは、聖書の『詩篇』『箴言』『ヨブ記』『雅歌』『ルツ記』『哀歌』『コヘレトの言葉』『エステル記』『ダニエル書』『エズラ/ネヘミヤ記』『歴代誌』の11巻を指します。
ユダヤ教と教育
ユダヤ教において最も特徴のある分野は教育とも言われています。
ユダヤ教徒は教育こそが身を守る手段と考え、国を守るには兵隊を生み出すよりも子供によい教育を受けさせるべきとされています。
そのため一般大衆のほとんどが文盲だった紀元前からユダヤ人の共同体では授業料を無料とする公立学校が存在していました。
ユダヤ教と労働
労働は神の行った行為のひとつであるため、神聖な行為と考えられています。
そして、安息日と呼ばれる休日を週1回は必ず行うべきとされています(安息日の間は労働はしてはならず、機械に触れてもいけません)
ユダヤ教と生死観
ユダヤ教には一般的な宗教に見られる「死後の世界」というものは存在しません。
最後の審判の時にすべての魂が復活し、現世で善行(貧者の救済など)を成し遂げた者は永遠の魂を手に入れ、悪行を重ねた者は地獄に落ちると考えられています。
最後に
いかがでしたか?
旧約聖書や預言者の存在など、キリスト教やイスラム教と共通する点はあるものの、実践重視といった点は仏教に通ずるものを感じました。
非常に面白い宗教ですね。
これからもユダヤ教の勉強をしたいと思います。