日本各地の神道的信仰について調べてみた
ご存知の通り、神道には教典もなく、開祖もおりません。
しかし八百万とも称されるように、神様の数はとてつもなく多く、各地で独自の信仰が見られます。
今回は日本各地の信仰をまとめました。
- 八幡神社と八幡信仰
- 明神神社と伊勢信仰
- 天神神社と天神信仰
- 稲荷神社と稲荷信仰
- 熊野神社と熊野信仰
- 諏訪神社と諏訪信仰
- 八坂神社・津島神社と祇園信仰
- 白山神社と白山信仰
- 日吉神社と山王信仰
- 山神社と山神神社
- 浅間神社と浅間信仰
- 春日神社と春日信仰
- 鹿島神社と鹿島信仰
- さいごに
八幡神社と八幡信仰
古くは八幡神と呼ばれる皇祖神の須佐之男命・五十猛神を、現在は応神天皇・神功皇后・比売神を八幡三神として信仰しています。
宇佐国造の祀った宇佐八幡宮がその起源で、早くに神仏習合が進み、朝廷だけでなく源氏など武家の氏神としても全国に広まりました。
俗に三大八幡と呼ばれる神社は、以下の4社のうち「宇佐・石清水」に「筥崎・鶴岡」のいずれかを合わせた3社とされています。
明神神社と伊勢信仰
神明神社は、皇祖神の天照大御神を主祭神とし、伊勢神宮内宮を総本社とする神社でです。大日如来と習合しつつも、早くに神仏分離をしました。
現在は神明神社が各地に鎮座します(神社本庁によると日本全国に約5千社あるとされているが、一説には約1万8,000社ともいう)。
天神神社と天神信仰
延喜式に複数社見えるよう、本来天神は天津神を指す言葉であったが、菅原道真が死後怨霊として恐れられた後に神仏習合し天満大自在天神として神格化された御霊信仰です。
太宰府天満宮や北野天満宮を中心として広まり、主に雷神・学問の神として信仰されます。
稲荷神社と稲荷信仰
穀物神の宇迦之御魂神を祀る伏見稲荷大社を起源とし、江戸時代には神大市比売や大年神などと共に、商売繁盛、諸産業の神として厚く信仰されました。
「稲成り」の意味だったものが、稲を荷なう神像の姿から後に「稲荷」の字が当てられたとされます。
熊野神社と熊野信仰
総じて皇祖神の須佐之男命を祀ります。
日本全国に約3千社ある熊野神社の総本社を熊野三山と呼びます(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)。
神仏習合により、熊野本宮大社の主祭神の家都御子神または家都美御子神は阿弥陀如来、新宮の熊野速玉大社の熊野速玉男神または速玉神は薬師如来、熊野那智大社の熊野牟須美神または夫須美神は千手観音とされました。
諏訪神社と諏訪信仰
出雲神の子で海神族の諏訪氏の祖・建御名方神とその妻・八坂刀売神を祀ります。
洲羽国造、科野国造の祀った諏訪大社を起源とし、古代は狩猟、農耕、風、水の神、鎌倉時代には武神として武家にも広く信仰されました。
八坂神社・津島神社と祇園信仰
元はインド由来の祇園牛頭天王と須佐之男命が集合した信仰です。
京都府の八坂神社や津島神社、須賀神社を中心に、牛頭天王の八柱の御子・八王子権現と共に蘇民将来説話から疫病除災の神として信仰されました(蘇民将来は日本各地に伝わる説話であり、護符です)。
白山神社と白山信仰
白山比咩神社を起源とし、白山比咩神と呼ばれる菊理媛神を祀ります(菊理媛神は宇迦之御魂神と同神と考えられています)。
水の神として信仰される他、伊弉諾尊と伊弉冉尊の仲をとり持った神話から、縁結びの神としても信仰されます。
日吉神社と山王信仰
比叡山麓の日吉大社より生じた信仰です(山王とは比叡山に鎮まる神をさしたもの)
日吉神社・日枝神社あるいは山王神社などという社名の神社は大山咋神と大物主神(または大国主神)を祭神とし、日本全国に約3,800社あります。
疫病除災の神として信仰されます。
山神社と山神神社
山の神である大山津見神を祀り、鉱山などでは合わせて金山毘古神と共に信仰されます。
山への信仰や農耕神としても信仰を集めます。
浅間神社と浅間信仰
浅間信仰は富士信仰の一つであり、核となる浅間神社は、富士山の神霊として考えられている浅間大神を祀る神社です。
浅間大神は、木花咲耶姫命のことだとされており、富士山との関連で火山の神、火中出産神話から安産の神として信仰されます。
ちなみに、いつ頃から富士山の神が木花開耶姫命とされるようになったかは明らかではありません。
春日神社と春日信仰
春日大社を起源とする信仰で、天児屋命、天美津玉照比売命、建御雷神の三柱の他、国譲り神話から経津主神も合わせて祀ります。
全国に約1,000社あり、奈良県奈良市の春日大社を総本社とします。
鹿島神社と鹿島信仰
中臣氏の祖・建御雷神を祀ります。
本宗の鹿島神宮は春日大社の直接的な起源ともされており、地震を起こす鯰を封じる神とされた他、建御名方神に勝利したことから武道の神としても幅広く信仰されています。
さいごに
いかがでしたか?
沢山神様が出てきて戸惑う方も多いでしょう。しかし、この神様の多さこそが神道の醍醐味であります。
この記事で取り上げたのは日本に存在する信仰の一部です。機会があれば、まだまだ紹介していきたいと思います。